信友 浩一
2005年度は、熱帯医学研究会が発足・活動を始めて第40期目にあたります。人の一生で言えば、「不惑」の年にあたりますが、本年度の研究会活動企画書を見られますと、「そうだな」と同感されることと思います。21世紀になって以降の熱研活動は常に「死に対峙する、その死は生物的死・社会的死・精神的死を含めて」活動を主流に、常に「新たなテーマ・地域を発掘し診に行く」活動とで編成されてきていました。
今年度の「死に対峙する」活動班は、国内では緩和ケア班・国外ではタイ班が編成されます。一方「新たなテーマ・地域」活動班は、今年の福岡市西方地震体験が契機になり災害医療班が編成され、同時に学会・セミナーに参加し新たな視点・テーマを探る社会医学セミナー班も編成されました。
更に、本企画書等編集までには間に合わなかった企画が複数あるようであります。これは医学生の問題意識が高くなってきている証左でもありますが、新たにた他学科からの意欲のある学生を少数受け入れたことも契機になったのかと喜んでもいます。学生諸君が本研究会に入会・活動することで、視野が拡がり、視点が増えかつ重層的に考え行動できていっている実績をみてきております。これからも一層のご支援・ご指導の程を、熱研OBの方々だけでなく熱研活動に関わっていただいています方々からも宜しくお願い申し上げます。
九州大学医学研究院医療システム学教室 教授
松木 孝之
熱帯医学研究会は今年で40周年を迎えます。この節目の年に際し、熱帯医学研究会が更なる成長を遂げるような充実した活動を展開するべく、それぞれの部員が準備に邁進しているところであります。
今年は海外班三つ、国内班三つの計六班が企画として立案されました。海外班では、昨年から引き続き、熱帯医学研究会に定着しつつあるインドでのボランティア活動を行い、さらに新しい企画として、タイにおけるエイズホスピスでのボランティアやマダガスカルの診療所における見学という活動を予定しています。国内においては緩和ケアを行っている病院の見学、先に発生した福岡県西方沖地震によって、私たちにより身近に感じられるようになった災害に際しての医療について学ぶ災害医療班、そして今後の熱帯医学研究会の活動にとって役に立つと思われる社会医学セミナーへの参加などを計画しています。
今回はボランティア活動といった実際に体験する形の活動と、知識見聞を広げることを主とした活動とのバランスがうまくとれているのではないかと思います。「フットワーク」と「デスクワーク」との融合により、第40期の活動全体が成功へ結びつくことを確信しています。学生の私たちにできることは限られておりますが、誠心誠意取り組んでいきたいと考えています。
また私たちが熱帯医学研究会の活動を通じて得た知識、経験を部外へも発信していく必要があると考えています。信友先生もおっしゃったように私たちは総合大学にいます。学部内、ひいては学内にもとどまらず広く様々な方に熱帯医学研究会の活動を知ってもらい、たくさんのご意見をいただいて刺激をうけることにより、熱帯医学研究会のさらなる発展につながっていくものと思われます。
40年という伝統の重みをひしひしと感じておりますが、これまで通り私たちが知りたい、自分の目で見てみたいという正直な気持ちに従ってのびのびと活動をして参りたいと思います。行き届かない点が多数ございますが、今後とも御指導、御支援をよろしくお願いいたします。
九州大学医学部熱帯医学研究会総務
九州大学医学部医学科4年